エレメンタルナイツオンライン

ニュース

2017/10/12 14:00~17:00終了
メンテナンス終了のお知らせ

いつもエレメンタルナイツオンラインをご利用頂きまして誠にありがとうございます。
10月12日(木)14:00より開始しておりましたアップデートの為のメンテナンスですが、同日17:00頃終了いたしました。

強化した装備の経験値量アップ導入延期のお詫び

本メンテナンスにて導入予定とお知らせしておりました強化した装備を他の装備の強化素材に使用する際の経験値量アップですが、不具合を確認した為、誠に申し訳ございませんが導入を延期させていただきます。

導入の目途が立ち次第、ご案内させていただきます。

この度は導入の延期により、お客様方にご迷惑をお掛けしております事を深くお詫び申し上げます。

バースト機能バージョンアップ&新バーストスキル追加!!

バースト機能バージョンアップ

バーストゲージを最大で「5」まで蓄積できるようになります。

そしてバーストの溜まり方も変更が加えられます。
戦闘継続中は溜まりやすくなり、戦闘終了後の減少速度が速くなります。

バーストは“戦闘状態”(自動攻撃をしている状態)の時に限り蓄積されるようになります。ドラグセイバー等のバーストゲージを増加させるスキルも“戦闘状態”である場合に限り効果が発揮されるように変更されます。
ただしスキルを使うことで今までよりも溜まりやすくなり、ヒールやバフを多用する後方支援職でも戦闘状態であるならばバーストゲージがどんどん溜まるようになります。
またスキルの再使用時間や消費コストによって溜まる量が増えますので、ウィザードのような一発が大きい職業も、バーストスキルを狙って溜めることができます。

今回のアップデートに伴い、スキルツリーリセットの宝珠、能力強化リセットの宝珠を35個ずつ配布いたします。
こちらは2017年10月31日(火)23:59までにログインすると一度だけアイテム受け取り箱へ送付されます。

新バーストスキルご紹介

強力な効果を持つ新バーストスキルをご紹介いたします。
※バランス調整のため過去にご案内した内容から、一部スキルの性能を変更しています。変更箇所は黄文字になっています。
また、クレリックの新スキルについてはメンテナンス前にご案内した内容から性能を調整いたしました。

また、同じモンスターと戦闘中のプレイヤーが連続してバーストスキルを使用するとコンボが発生して効果がアップします!!
自分に使用するタイプのバーストスキルも、同じ敵と戦闘しているプレイヤーと連続で使用することでコンボが発生します。

職業スキル名効果
ファイターチャンピオンタイム10秒間、最大MPが30%減少する代わりに腕力と攻撃力が元の値の100%分増加する コスト:3ゲージ
コンボによる影響:最大MPの減少量と腕力と攻撃力の増加量が増える
シーフ待ち伏せ15秒間、回避すると必ずクリティカルの反撃を行う。またクリティカル最大倍率が速さを元に上昇する(速さ1000で1.5上昇) コスト:3ゲージ
コンボによる影響:クリティカル最大倍率が速さを元に上昇する量が増える
ウィザードクリスタルクラッシュ自分を中心とした威力800の土属性魔法の範囲攻撃。加えて命中した敵の攻撃力を5秒間80%減少させる コスト:3ゲージ
コンボによる影響:威力と攻撃力減少量が増える
クレリック命の炎対象を蘇生する。蘇生された対象は、蘇生から10秒後に自動攻撃中の場合バーストゲージが1増加する コスト:3ゲージ
※蘇生スキルはコンボにカウントされず、コンボの影響も受けない
ガーディアンコントラパッソ周囲の敵の注意を自分に向ける。残りHPが高いほど効果が上がる。加えて20秒間、ガード値が10上昇し、カウンター時のダメージに防御力の約100%の値が追加される コスト:3ゲージ
コンボによる影響:ガード値上昇量とカウンター時に追加される防御力を参照するダメージ量が増える
アサシン刹那の睡・永久の悪夢4秒間、醒めない眠りへと誘う。眠りの間はガード値と速さとクリティカル耐性がほぼゼロとなり、闇耐性が-25される コスト:3ゲージ
注意:睡眠に完全耐性を持っている場合は効果を発揮しません。
コンボによる影響:闇耐性の減少量が増える
ウォーロックポイズンフォビア5秒間、対象の毒耐性を99%、その他の状態異常耐性を40%低下させる コスト:3ゲージ
コンボによる影響:各状態異常耐性の減少量が増える
ビショップ浄化の預言自分と仲間に強化魔法をかける。5秒後の効果終了時に、HPを回復して眠り、沈黙、麻痺、移動不能、移動速度低下、毒を解除する コスト:3ゲージ
コンボによる影響:HPの回復量が増える
マジックナイト十の呪いの物語開始時に全属性耐性-50の呪いをかけ、物理/火/水/土/風/闇/光/魔の順で3秒間各耐性がゼロになり、最後は強化を最大10消す コスト:3ゲージ
コンボによる影響:全属性耐性マイナス分が増加する
モンク烈光千手拳威力777の光属性ダメージを与え、10秒間自分の攻撃速度を大きく高め、全状態異常耐性が150増加する コスト:3ゲージ
コンボによる影響:威力と攻撃速度、耐性増加量が増加する
ドラグバスターロックンロード10秒間、詠唱速度+100と“ダメージを与えるたびMPを20回復する(再使用時間0.3秒)”効果を得る コスト:3ゲージ
コンボによる影響:詠唱速度が増加する
ドラグランサー貪竜の晩餐自分を中心とした威力200の属性の範囲魔法攻撃を行い与えたダメージの1%分のMPを回復する。同時に威力200の土属性の範囲物理攻撃を行い与えたダメージの3%分のHPを回復する。 コスト:3ゲージ
コンボによる影響:物理および魔法のダメージの威力が増える
ドラグセイバー狂戦士は五度死ぬ数秒間、致死ダメージを受けても4回まで生き残る。一度生き残った後は効果終了までパーティメンバーのバーストゲージが一定間隔で増加する。効果終了時に自分のバーストゲージはゼロになる[消費バースト:3] コスト:3ゲージ
コンボによる影響:バーストゲージの増加量が増える
サムライ真打命中率が大きく補正された威力1600の物理属性攻撃 コスト:3ゲージ
コンボによる影響:威力が増加する
ニンジャ秘儀 無月の芒 6秒間、何をしても効果が終了しない隠密。隠れている間は攻撃力+50%、魔法威力+25%、通常攻撃も発生する コスト:3ゲージ
コンボによる影響:攻撃力と魔法威力の増加量が増える
スキルの修得方法

これらのスキルは修得用クエストを攻略した後、スキルツリーで“2”ポイント使うことにより利用可能になる予定です。いずれも育成指針の核となりうる強力な効果ですが、その分スキルポイントの制約が少し高めです。

スキルツリーモードOFF時(スキルランク自然スキル修得モード)の場合は修得用クエスト攻略後に直ちに利用可能になります。ただし内容は上記のものとは異なり、バーストゲージの消費量が2で、効果が控えめな内容となります。

スキルの修得クエスト紹介

各クエストは、それぞれ受諾条件よりも少し上のレベルのドラゴンタワー5Fのボスを3種類討伐する内容となります。
まだドラゴンタワーに挑戦したことのない冒険者の皆様は、この機会にぜひお友達や見知らぬ同士と力を合わせ、ドラゴンタワーにチャレンジしてみてはいかがでしょうか!?

[10月13日更新]
上記の受諾条件のクエスト名に一部誤りがありましたので修正いたしました。
表記の誤りによりご迷惑をお掛けいたしました事を深くお詫び申し上げます。

新バーストスキルにまつわるストーリー紹介

新たなるバーストスキルは、過去に活躍した戦士たちにまつわる技の数々です。
言い伝えられている彼らの逸話をご紹介します。

ファイター

スキル名:チャンピオンタイム
約300年前、数々の武闘競技会で優勝を総なめにしている男がいた。山のような筋肉の塊の巨体だったが、顔の中央に可愛らしく小さな黒いヒゲをちょこんと生やしていたことから、彼は“ちょび雄”と呼ばれていた。

ちょび雄は対戦相手が強敵であり全力を尽くさなければならない場合は必ず「チャンピオンタ~イム」と宣言し、その巨体を1まわりも2まわりもパンプアップさせて物凄い質量の攻撃のラッシュでノックダウンさせていた。

ちょび雄は精霊大戦の初期よりエレメンタルナイツとしての素質を開花させて戦いの最前線で活躍していた。
冥王が復活した後に人間側が何度目かの壊滅的被害を受け遁走する際に彼が宣言した「チャンピオンタ~イム」が、生き残った人が耳にした彼の最後の言葉だった。その時の戦没者の人数は他で起きた平均的な犠牲者の数よりもはるかに少ない数であったと戦歴書に記録されている。

シーフ

スキル名:待ち伏せ
精霊大戦が起こった直後、盗賊の一団を牛耳っていた“青血のグレタ”は大捕物にかかり一団ごと投獄された。

手の付けられない札付きのワルどもの処分を任された“鉄看守ゴードン”は、グレタの中に自分と同じエレメンタルナイツの素質があることを見抜き、処刑を免れる代わりに精霊大戦に参加することを提案した。
グレタは脱走のチャンスが舞い込んだとばかりにこの条件を2つ返事で快諾した。

戦場にて彼女が率いる盗賊団は水を得た魚のように活躍した。
グレタは脱走の機会を幾度となく狙っていたが、ゴードンと彼の従者達は中々隙を見せなかった。

ある戦場にて、ゴードンが団長会議で不在の際に彼とグレタが所属する師団が敵に奇襲される。
たちまちキャンプは混沌とした戦場と化し、グレタにとっては脱走のまたとないチャンスの訪れとなる。だが彼女は逃げなかった。
得意のフットワークで敵の間をぬって走り、敵の注意を自分に集めて自分の手下はもちろんゴードンの従者達にも撤退の機会を与えた。
そんなことをした理由はもはや過去の霧の中だが、生き延びた彼女の手下の一人は精霊大戦で人類のために活躍することが自分の生きる価値だと感じていたのではないかと回想している。
命からがら生き延びた従者達の報を受け、ゴードンが味方を引連れて戻った時には、既に生きているものは無く、おびただしい数の魔物の屍とグレタが横たわっていた。
その非情さから“青血”と通り名が付いていたグレタだったが、ゴードンが見たのは残酷にも美しいほどに赤く染まった彼女の革鎧だった。

ウィザード

スキル名:クリスタルクラッシュ
かつてウィザードは四つの元素を操っていたと言われている。今は地属性の魔術を操るウィザードはほとんどいなくなってしまったが。
それは精霊大戦が始まるよりはるか昔、地母様と呼ばれていたウィザード“グラテラ”の伝承。

彼女は巫女として精霊と人間の橋渡しを行い、主に災害から人々を守り豊かな実りをもたらすために土属性の魔術を専門としていた。

彼女はまた大地を体現するかのように巨躯で美しい女性であり、とある国の執政者を夢中にさせるには十分だった。
その執政者はグラテラを妃に迎えようとしたが、彼女は自分の使命のために申し出を断り続けた。いく度となくガッカリさせることに気が引けたのか、グラテラはひそかにその国に富をもたらすように大地の精霊に働きかけた。結果としてその執政者が治める国は大国となる。

しかしそのことが切っ掛けとなり、周辺の国々は豊かになったかの国を羨み、理不尽な難癖をつけて紛争をしかけるようになる。
同時に攻撃に使い勝手の良い三つの元素の魔法がもてはやされるようになり、地味で守り要素の強い土属性の魔術は徐々に廃れていく。

“グラテラ”は思慮が浅はかな自分と愚かで身勝手な人間達に絶望した様子で、いつの間にか歴史の表舞台から姿を消している。
彼女が得意としていた土属性の魔術は大部分が失われた模様だが、幾つかの重要な魔術は「きたるべき危機に備えるべし」という彼女の伝言を元に、数少ない彼女の信奉者に今なお受け継がれているらしい。

クレリック

スキル名:命の炎
精霊大戦以降でフェンダリア一の天才児と言えば“ヴィム”だった。
彼は12歳で王都一の魔術学院を首席で卒業し、17歳で王立魔術研究所の新魔術開発主任となった。
しかし何事もうまくいけば人間としてはどこか欠けて成長するようで、ある日酔っぱらったはずみで立ち入ったいかがわしいパブで裏世界の住人と知り合い、彼らに背徳の快楽を教えられる。
そしてある時から彼らにそそのかされ、禁忌魔術や薬物の開発に手を染めるようになっていった。

事が発覚した後、彼は即座に解雇されて辺境の地の修道院送りとなる。
そこは非常に厳しい環境で、極寒のやせ細った僻地のうえ、飢えた凶暴な魔物にたびたび悩まされていた。

彼の才能は修道院でクレリックの道を歩む際にも発揮され、たちどころに光の魔術で魔物を退散させるが、慢心が油断を生み、誤って一人の子どもに攻撃魔法を誤射してしまう。

その子どももヴィムと同じく罪を犯して修道院送りになった一人だったが、自分の貧しい孤児の境遇を同情して優しく接してくれたヴィムに懐いて兄のように慕っていた。ヴィムも弟のように感じ始めていた矢先だった。

ヴィムをとてつもない悲しみと未だかつて感じたことのないほどの後悔が包んだ。もはや心音が止まった人間をヴィムは救うことができない。
蘇生は高位の光魔術が成せる技であり、何年も高潔を維持し続けて光の精霊との親和性を高めたビショップにしか使いこなすことができない技術だった。

しかしヴィムはただの才能のある青年ではなかった。全身をエレメンタルナイツ特有のオーラで輝かせ、ヴィムは自身の全エネルギーを冷たくなりつつある弟の体に注いだ。そして奇跡は起きた。弟の心音は再び小さく鳴り始めたのだった。
それからヴィムは心を入れ替えたかのように謙虚になり、へき地であるにも関わらず数々の魔術の発展に貢献した。
その貢献により恩赦をうけたヴィムだったが、彼は自分の代わりに弟に受けさせることにした。

身受け人であるフェンダリアの貴族に“私の弟であるヴィコ・ランフィは私と志を共にし、私と同じ才能を持つものです。どうか、よろしくお願いいたします。”との旨の書状を送り、星の瞬く夜に、弟には内緒でひっそりとどこかの地に旅立った。今なお、その修道院にはヴィムが残した魔術と、そして奇跡の記録が残っている。

ガーディアン

スキル名:コントラパッソ
フェリペはガーディアンでありながら無類の文学好きで、本を盾にして戦場に行く気か?と度々同僚からからかわれていた。

しかし、精霊戦争が激化するにつれ、次第にからかいの数は少なくなる。
娯楽に乏しい戦場では、傷ついた兵士の心を癒す手段はとても限られている。
その中でフェリペが語る数々の英雄譚や恋物語は、ともすれば発狂するほどの戦場の恐怖や魔物から与えられた絶望を忘れられる救いだった。

巨体の戦士もフェリペの紡ぐ物語に魅せられた一人だった。
フェリペは当初、仲間からちょび雄と言われているその戦士を軽蔑していた。
品性の無い顔立ちに、それに違うことの無いオツムの出来栄え。とても自分が愛する文学から遠い存在。

しかし、毎晩のようにフェリペに物語をねだり、ぶっきらぼうながらも素朴で素直な感想を嬉しそうにしゃべる彼を見ているうち、フェリペは自分が本から感じる喜びの根源は、ちょび雄が感じているものと変わらないのだろうな、と悟った。
彼の姿は、まるで幼いころに母親に絵本を読んでもらった自分にあまりにも似ていたからだ。

ある時からフェリペはすっかり心を許し、ちょび雄と親友になった。そしてまるで一対の盾と剣のように、二人で多大な戦果をあげていった。

最後の戦場も二人は一緒に戦い抜いた。
ちょび雄の背中を守るフェリペは、大きく「コントラパッソ(己が行いが明日の実となろうぞ)!」と叫ぶと、仲間を守り抜くために、黒い魔物の大波に向かって駆け出して行った。

アサシン

スキル名:刹那の睡・永久の悪夢
オーグルと人間の混血であるジェニーは、物心のついた時からゼ・ドス帝国(ゼス帝国の前身)の地下深くにある暗い研究施設から外に出ることなく過ごしていた。

彼女は自分の眼に特殊な能力があると聞かされてはいたが、どんな能力なのかは知らされていなかった。

ある日、大きな爆発と振動とともに目を覚ました彼女は、生まれてはじめての自由を手に入れた。
冥王軍の第一次フェンダリア大陸侵攻の始まりの日、歴史の転換点となる日だった。

不安から何日も地下の自室に籠っていたが、普段だと頻繁に訪れてくるはずの研究員は誰一人やってこなかった。
虚無の時間が経過し、空腹のあまり恐る恐る外に出た彼女を待ち受けていたのは、災厄から生き残った人々から浴びせられる罵声と嫌悪のまなざしだった。
オーグルでもなく人間でもない奇異な外見をした彼女は、生き残った人々にとってはまるで冥王軍の化け物であり、死者を食らいに来た魔物のように見えたのだ。

心無い言葉と石のつぶてから彼女は逃げた。
逃げた先は焼けて何もなくなった森林のほとり。疲れと空腹で一歩も動けなくなった彼女はその場にへたり込み、永遠の虚無の時間の始まりをうっすら感じ始めていた。

その時、数人のグループが彼女を取り囲んだ。ぼやけた目では確認できなかったが、誰かが魔法を唱えると彼女の疲れが薄れていった。
そして優しそうな顔立ちの戦士が肉と果実を脂で固めて乾燥させた非常食をわけ与えてくれたのだった。

彼らはエレメンタルナイツという集団の一グループで、ゼスへの調査団だった。
彼らが言うにはジェニーにもエレメンタルナイツの資質があり、それも特別なものらしい。
一緒に来ないかと誘われた彼女はふたつ返事で喜んだ。何よりも自分の見た目を受け入れてくれたことが嬉しかった。

彼らの元で修練した彼女は、自分の眼の“特別な力を込めて凝視した相手を昏睡状態にする”能力を手にした。それからは誰もが苦戦する対魔王戦線の最前線で活躍し、仲間うちでは“大物狩り”のあだ名で呼ばれるほどになった。結局終戦前の大規模な魔王掃討戦に赴いたきり、彼女は行方不明になってしまったが、エレメンタルナイツの修練のさ中に彼女のパートナーとなったとある闇の精霊は、今でも彼女の帰りを待ち続けているらしい。

ウォーロック

スキル名:ポイズンフォビア
トリサーニャは300年前のエレメンタルナイツ達の中では古参のほうで、精霊大戦勃発時には、若かりし頃自慢だった赤毛の艶やかな髪がすっかり白銀になっており、顔には厳しい戦いを幾度も経験してきたことを物語る無数の深い皺が刻まれていた。

しかし彼女の気丈さ、鋭い英知は衰えておらず、自分の子供や孫ほどの年齢の新兵を一人前の戦士にするための教官として、また豊富な魔物の知識や恋愛経験を生かし、戦場の歩き方から失敗しないパートナー選びまで教える先生として活躍していた。

晩年になる彼女が最も心を痛めたことは、自分の教え子が自分よりも先に逝くことだった。

彼女の歩んだ道はウォーロックだったため、教え子が傷つけられないよう敵を弱体化する術を研究し、発展させていった。
その中で彼女が最終的に執心したのが毒であった。こちら側の毒攻撃を分析したのか、大戦終盤には毒が効かない敵個体が多く、逆にエレメンタルナイツは敵の毒に大いに苦しめられた。

哲学的なひとつの見解にも達するほど毒についての研究を重ねるが、成果に到達するまえに冥王復活の予兆を耳にする。
彼女はそれを阻止するため、真っ先に自分の身を犠牲にして己のエネルギーの全てを巨大な対冥王合同魔法に費やした。
そして、後世のために研究中の核心をわずかなエレメンタルパワーの残滓に託し、多くの教え子の元に旅立った。

ビショップ

スキル名:浄化の預言
大教会の司祭の娘に生まれたサリは、親の厳格な教育のもと、無事にビショップになることができた。

その日は親も気が緩み、サリは学友と祝賀パーティーを楽しむことを許された。
といっても教会式だったのでアルコールは無し、肉っ気はわずかな乾燥した山羊のハムとチーズだけ、歌は賛美歌、夜7時には解散するという、同じ年ごろの町の若者から見ればとっても“楽しめる要素を見つけることが困難な”パーティーだったが。

それでもサリは楽しかった。あまり家や教会から離れた所に行ったことのないサリだったが好奇心と想像力は人一倍あり、パーティーを行った町の食堂(店主は今までの貸し切り宴会でも最も金目にならない類だったのでずっと渋い顔をしっぱなしだった)のどうってことない内装にもいちいち心が弾み、小さなメロディが頭にひっきりなしに湧いてきては微笑みを絶やさない口から次々とこぼれ出ていた。

しかし楽しい時間は夜7時を待たずと終了を迎える。サリの町から遠くないところで魔物と交戦中のエレメンタルナイツの部隊が非常事態に陥り、援軍を要請してきたのだ。ひとまずの一人前の免許を貰ったサリ達は、パーティーを中断して援助に行く決断をした。

彼女達を含めた援軍が戦地に到着した時、まだ魔物が多数残っていた。
戦闘に巻き込まれる援軍。一人また一人と傷ついた仲間を助ける同期の中で、サリは何もできずにいた。
想像力が強すぎて、傷つく他人を見ることができず、ただただ震えて縮こまっていることしかできなかった。
戦闘が終了した時、援軍の四割は帰らぬ人となっていた。
サリ達新米ビショップは死者こそいなかったが、もはや戦場に出られない体になったもの、重傷を負ったものばかりだった。ただ一人、無傷のサリを除いて。

サリは深く後悔をし、2週間以上自室に閉じこもり何も口にしなかった。
そしてある日、痩せこけたサリが親の前に出てきた。自慢の金色の髪はすべて剃られており、肌は乾燥して異様な雰囲気だったが、目はギラギラ輝いていた。

サリは今までの自分ではありえないほどの強い意思がこもった口調で、これから家を出て戦地で尽くす自分を許してくれと親に懇願した。
もしかすると今生の別れになるかもしれなかったが、厳格な司祭であっても娘の今までにない強い想いを否定することはできなかった。

その後、サリはとあるエレメンタルナイツに弟子入りした後、師である“導雪のリンダ”と共に戦場で多くの仲間の命を救った。

そして精霊大戦の最後、冥王への命をかけた封印術の際、師匠とともに自らの命を捧げようと出発する直前でサリは意識を失った。
目が覚めた時はすでに全てが終わった後だった。サリを意識不明にし、サリの命を結果として救ったのはリンダの技だったと彼女はすぐにわかった。
エレメンタルナイツとしてまだ半人前だったサリだが、師の得意とする“浄化の預言”の痕跡を自分から感知したのだった。サリは涙が涸れるまで泣き崩れ、リンダに感謝しつづけた。

数年後、戦場跡の負傷者を治療し続けていたサリは故郷に戻り、しわくちゃ顔になってしまった親の前で跪き、我儘を貫いた自分の許しを乞うた。
そして親のあとを継いで立派な司祭となり、彼女もまた弟子をとってリンダの技“浄化の預言”をひっそりと継承した。
後の世で戦乱が起きたとき、多くの命が助かるよう願いを込めて。

マジックナイト

スキル名:十の呪いの物語
300年前の精霊大戦時、戦地では亡霊の目撃談は日常茶飯事だった。
死者の魂が強い情念となり現世にとどまり続けることはたまにあるが、できても意思を伝えることくらい。
快活に動き回ることが出来るのはゲシュタのようなモンスターとしての存在だ。

しかし、精霊大戦での亡霊目撃談の中でも最も奇妙であり、最も多く話題になったのは、大昔に存在していたと言われる伝説のマジックナイトの亡霊だった。

それは通常の亡霊とは一線を画し、伝説で語られるとおりの華麗な剣さばきと誰よりも強力な魔法の矢を放ち、モンスターの群れを蹴散らしていた。
予期せぬ援軍を得て喜ぶのも束の間、気づいたときには消えており、常識から外れた得たいの知れないその亡霊を皆は内心気味悪がっていた。

亡霊の生前の名はジョン。屈強な肉体を誇るうぬぼれ屋、重厚なバス声域の美声家、そして男色かつふしだらであったと記録にはある。

ある時若き青年のマジックナイトが戦場で危機に陥った。複数のトロルに囲まれ動けないでいた。どうやら手足の骨が粉砕されているようだった。
己の最期を悟った彼の眼の前に現れたのは、まさに亡霊のジョンだった。

ジョンは見まごうばかりの早業でトロルを片付けると、残された最も屈強で残忍そうなトロルにある呪いをかけたようだった。
傷つき意識が薄くなった青年のマジックナイトにも聞こえるほど、深く低い声で“これから語るは十の呪いの物語”と戦場に響いた。
その後、残されたトロルの体が次々に気味悪く変色しだした。色が変わるたび、それに対応した魔法の矢がジョンから放たれてトロルを貫いた。
そして十回目の色変化の時、亡霊は無数の剣戟でトロルにとどめを刺した。

青年は自分の命がつながったことに安堵したが、あまりの出来事に呆然としている間、亡霊はたたずんでいるだけだったが、青年が改めて亡霊に話しかけようとしたとき、不気味な笑い声を残して消えていった。

仲間に発見してもらいベースキャンプに帰還した彼の話はたちまちのうちに話題のトップになった。
様々な過去の例から、ジョンは自分好みの男を助けようとしているのではないか?いやいや、だったら始めっから助けてくれよ、戦場に現れるタイミングはきまって苦戦時だから、単に好みの男が傷ついているのを見るのが好きなだけじゃ?等々の憶測が飛び交ったが、真相は依然として不明のままだ。

結果として、精霊大戦以降ジョンの目撃談は聞かれなくなった。しかしこのご時世、もしかしたらまた目撃されることがあるかもしれない。

モンク

スキル名:烈光千手拳
アキツのみならず、フェンダリア大陸全土でも有名な、五英雄のひとりに数えられている精霊大戦時代のアキツの第八十代国王“リウガン=アキツ”には様々な逸話が残されている。

「一人で魔王を同時に五体相手にした」
「龍の角を箸にして、龍の逆鱗を皿にしてメシを食っている」
「掌から放つエネルギー弾で高鬼山(アキツの一地方の山)に風穴を開けた」
「ゴンが柔肉しか食べなくなったのはリウガン様に殴られて歯がボロボロになったから」
「フェンダリアまで泳いで渡る」
「大岩投げ大会で、落下点に居た子犬を助けるために、失格になるのを承知で自分の投げた大岩の落下点まで先回りして岩を受け止めた」

などなど、ほとんどが尾ひれのついた噂話や創作みたいなものだったが、リウガンの実力自体はモンクの頂点と言っても過言ではなかった。
リウガンは幾つもの必殺技を身につけていたが、それをまともに継承できる者はついぞ現れなかった。

正確に表現すると、リウガンの技は一つの流派につき一つ継承していくことはできた。従って現代でも複数の流派がそれぞれリウガンの必殺技を至宝技として受け継いでいる。

その一つ“千手流”は、名の如く素早い拳で敵を打つことを得意とする流派だ。
千手流の至宝技“烈光千手拳”は、強烈な初撃とともに圧倒的な猛攻撃で敵を打ち倒す技である。
リウガンがそれを使った時は、彼の打撃はあまりに速すぎて、数多くの拳の連打は常人にとって巨大な光の柱が敵にぶつかっていくように見えたらしい。と言っても魔王級でもない限り、初撃で空の彼方まで吹き飛んでしまい、光の柱が見えることは稀だったそうだが。

ドラグバスター

スキル名:ロックンロード
アテーリア草原北地方で仮住まいをしている竜人は、別の世界からのいわば異邦人だ。
アテーリア草原北のグループは“ルインズ”と名乗っており、人間型での白兵戦を得意とする戦闘集団だと言われる。

竜人の住む世界で発達している、濃縮した魔素を高速射出する武具“魔導銃”を取り扱うことに長けているドラグバスター出身の師団長“死行歌のエカーリャ”は非常に好戦的であり、最も多くの戦果と同時に最も多くの自軍死傷者を記録に残している。

彼女の率いる師団は常に前線で戦っていた。けが人が続出しても撤退することはなく、その場にキャンプを展開して駐屯し、補給地点で治療されたけが人が十分に戻ると即座に進行を開始するという蛮勇ぶりだったが、部下は不満を漏らすことなくついていった。
その秘密は軍歌にあり、彼女の独特な、らせん構造のように耳に響く声で歌われる陽気で勇ましい歌によって部下は異常なまでに高揚し、恐怖は吹き飛び痛みは軽減され、何よりも戦場に居ることがまるで温泉に浸かっているかのように心地よく感じられた。

そして極め付けは彼女の号令“ロックンロード”だった。それ自体は戦闘準備完了の合図で使われるものだったが、彼女の場合は言うや否や魔導銃を連射しまくり敵に突撃を掛けるという意味であった。実際彼女は真っ先に敵陣に突っ込んだ。

彼女は何度も死線を潜り抜けていたが、やっぱり彼女の最終的な死に場所は戦場にしかなかった。
ルインズの宿敵のエンシエンツ主力軍団に囲まれた彼女の師団は、およそ10倍の敵軍に対して降伏することなく交戦し続け、敵の勢力を半分にまで減らしたところでとうとう弾が尽きてしまったのだ。

しかしながら死後も、彼女とその部下達は、部族への愛と護りの誓いを保ち続けた。
彼女達の最期の戦場は“ルインズ”にとっての補給線の要所であり命綱に値する場所だったが、そこが戦場になってしまった時には必ず奇妙な追い風が吹き、ルインズ達に無限のエネルギーと幸運な射線を提供した。
ルインズ達はその地を“エカーリャの歌が吹く丘”と呼び、戦略のかなめにしたという。

ドラグランサー

スキル名:貪竜の晩餐
竜人族に伝わるおとぎ話。
大昔、竜と人は水と糧を争う敵であった。
竜は肉体の強さを、人は繁殖力を武器にして何年も争っていた。

ある時代、干ばつと異界からの魔物の侵略が重なり、食糧が著しく減少した瞬間があった。
瞬間といっても、当事者にとっては何年も絶望的な状態が続く長い時間だったが。

飢えた一匹の雌竜がやせ細った数少ない家畜を狙って人里に現れた。
村の人々は、彼らの命綱である家畜を守るために竜と戦う志願兵を募ったが、そんな気力のあるものは誰もいなかった。
困り果てた村の老人衆は寄り集まって一計を案じた。家畜を失うよりも、口を減らしたほうがいいとの残酷な答えを導き出した。
竜の生贄に選ばれたのは一人の少年だった。老骨よりも柔らかい子どもの肉のほうが受け入れられるだろうという、いらぬ配慮だった。

竜が村に近づいたとき、目の前の開けた荒れ畑の上に一人の少年が座っていた。少年から離れた場所には人間の群れ。
人間の群れは竜に対し、少年をくれてやるから去ってくれと呪言のようにうめいていた。竜は人間の群れを侮蔑をこめて睨むと、少年を口に加えて飛び去った。

巣に戻った竜だったが、少年を食らう気にはなれなかった。竜は見たのだった。
醜い人間の群れの合い間にただ一人涙を流す女の姿を。あれは母親だったに違いないと竜は考えていた。

この雌竜自身、数週間前にわが子を失っていた。竜はおびえる少年に腹を見せてやった。
腹からは、子を失った時に枯れたはずの乳が出た。少年はあまりの空腹と乳から漂う甘い香りにつられ、怖ろしさも忘れて乳をすすった。

それからしばらくの間、竜は少年と共に生きた。初めは怯えていた少年も、自分の運命を受け入れ、また竜の心を理解して、竜と共に生きた。

飢餓の時代は続き、竜は自分の運命を悟った。この巨体を生かす食糧はすでに尽き、残るは少年のいた村くらいだった。
竜は何を考えたのか、少年を口にくわえて村に向かって飛んだ。もはや飛ぶのもやっとだった。

突然現れた竜と少年を見て、村人達は驚いたのち、あろうことか今度は少年の母親を生贄に捧げようと、群衆の中から吐き出すかのように母親を枯れた大地に突き倒した。

その時少年が叫んだ。その声は人間のものとは思えない、竜の咆哮の如きだった。村人の群れは怖れおののいたのかピタッと固まり、あたりは静寂につつまれた。

少年は母の無事を確認し表情をゆるめると、後ろで横たわる竜の顔の傍らに歩いて向かった。
竜は、まるで自分の息子を見るように、誇らしげで優しい瞳で少年を迎えたのち、ゆっくりとまぶたを閉じた。

その瞬間から竜の体は巨大な岩に変わった。少年からは大粒の涙がこぼれていた。
涙を流しながら、あっけにとられている村人達を竜の腹にあたる部分に導いた。
そこには、岩になってからも竜の乳が湧いていた。血に等しい色をしていたが、優しい香りと味がした。少年と村人達は、一匹の竜により飢餓の時代を生き抜くことができた。

少年は大きくなり青年になると、竜岩の牙から大きな槍をこしらえて旅に出た。
そして各地で飢餓を生き延びてなお戦う竜と人の間に入り、不毛な争いを調停していき、ついには数十年後に全ての竜と人が共存する世界に変えた。
その青年こそが、竜人族の始祖だといわれている。

ドラグセイバー

スキル名:狂戦士は五度死ぬ
グリンドは欲深くて金にがめつい傭兵だった。同時に、“厄病神グリンド”として同業者から忌み嫌われていた。
歴戦のグリンドだったが、最近参加した部隊はことごとく壊滅し、いつも彼一人が生き残って戦場から戻ってきたからだ。そんなことが4回も続いていた。

しかしそれはグリンドにとっても不運なことだった。労働の対価がまともに受け取れないからだ。
彼はここのところわずかな前金だけで日々の酒代をやりくりしなきゃならなかった。
グリンドはこう考えていた。「俺が不幸を背負うのは、傭兵頼みの無能な戦争屋のせいだ。だから俺が指揮ればいいのさ」

傭兵のコネを活用し、グリンドは確実に首級を挙げられる罠を張った。
狙うはルインズの“豚将軍ワベヅ”の首。敵対する両陣の間をカラスの如く飛び回り、とある小さな宿場にワベヅが滞在する機会を作り、それをエンシエンツの強襲部隊が襲撃する段取りを組んだ。

今回の仕事でルインズからは裏切り者として狙われ、エンシエンツからも信用できない人物としてマークされるだろう。
しかしグリンドはこれを最後に傭兵稼業から足を洗う気でいた。
あとは手にした大金で辺境に庵を構え、のんびり畑を耕すのも悪くない。

そして最後の仕事の日、全てはグリンドの思惑通り順調に進行していた。
両陣営の激しい戦闘のさ中、巨漢ワベヅの首をおとすのには苦労したが何とか暗殺に成功し、重いトロフィーを持ってエンシエンツの陣営に向かっていた。

その時グリンドは見てしまった。いや正確には目が合ってしまった。戦禍で崩れたガレキに挟まった小さな少女の目と。元はグリンドが仕組んだ戦闘だった。
欲深いグリンドにも少しだけ残っていた良心が自責の念を生む。「最後の仕事の後味を悪くすることはあんめえ」とボヤきながらグリンドはガレキを取り除き、少女を救おうとした。

しかし、グリンドの不運は続いていた。ワベヅの暗殺犯を追うルインズ兵達が足音激しく近づいてくる。
グリンドの足元には血のにじんだ重い麻袋。一秒すら悩む時間の猶予はなかったが、グリンドは何を持って逃げるかを深く考えた。
グリンドの眉間の皺がかつてないほど深い溝となるほどに考え抜いた。結局のところグリンドはルインズの兵士達を上手くまいて逃走に成功したが、小脇に抱えていたのは小さな少女だった。

「最後まで俺はツイてねえなぁ。こんな厄病神を抱えこんじまうくらいになぁ。」とつぶやき、彼は戦場から去った。
その後、グリンドの姿を見たものは誰もいない。

グリンドの最後の仕事から二十数年が経過した後、今だに継続しているルインズとエンシエンツの戦場に凄腕の傭兵が現れた。
その傭兵は美しい赤髪の女性で、この世界で生きる方法として戦闘技術を父から徹底的に仕込まれたらしい。「ツイてないねぇ」が口ぐせの彼女は自らを“グリンダ”と名乗った。

サムライ

スキル名:真打
アキツ一の剣豪と今なお呼称されているゲンサイは、齢5歳の時にオニガシラを真っ二つに割り、齢12歳で守咬様から皆伝書を得たと言い伝えられている。

ゲンサイが生きた時代は今から800年前。アキツではまだ人間が少数派であり、河破や鬼といった魔人が争いに明け暮れる修羅の大地だった。

ゲンサイは小さな人間の領土を魔人から守りつつ、もう少しだけ豊かに暮らせるように土地を開墾していった。
ゲンサイのおかげでアキツにおける人間の立場は向上し、数多くの精霊との盟約を結び安全を確保していった。
しかしゲンサイもまた人間。寄る年波には勝てず、体力が次第に衰えてゆく。晩年は体の大きさも全盛期の半分くらいにまでなった。

それでもなお、若い衆に担がれながらであったが魔人との戦には必ず参加した。

ゲンサイ最後の戦のとき、相手は河破衆であった。時期は早春だったが、激しい衝突を繰り返し、生臭い河破と血の臭いで蒸せるように暑い戦場だった。
双方の軍が疲弊しはじめたとき、人間の五倍はあろう大きさの巨大な河破が戦場の真ん中で無双を始めた。
千切れたヨモギの葉のように左へ右へと跳ね飛ばされる人間の兵士。
戦況の傾きが決定的になりそうなその時、ゲンサイはお付きの若者に指示し、巨大な河破の前まで運ばせた。

巨大な河破は目の前にちょこんと座る、わらび餅のようにぷるぷると震える小さな老人を見てせせら笑った。
刃を振るうまでもないと、その大きな足で踏み潰そうとした瞬間、ゲンサイは左手に握った鞘から光る刃を抜き、天に振り上げた。

そのひと振りは圧倒的に力強く、誰も気付かないほど速かった。刀の軌跡は戦場中の大気を全て巻き込み、天高く連れ去った。
周囲は一瞬ではあったが空気の無い真空状態となり、完全なる静寂がもたらされた。音すらも奪うゲンサイのひと振りによって、巨大な河破の躯体は左と右に奇麗に分断された。

静まり返った戦場は次の瞬間大音量の拍手喝采に包まれた。
人間だけではなく、残された河破衆ですら、あまりの見事な一太刀に思わず拍手を打ったのだった。
戦をあっと言う間に終わらせたこのゲンサイの一撃から、以来アキツでは最後の決め手のことを“真打”と呼ぶようになった。

ニンジャ

スキル名:秘儀 無月の芒
精霊大戦はフェンダリア大陸だけでなく、アキツにも暗い影を落とした。

アキツは強い海流によりフェンダリア大陸からの往来が制限されていたため、空から降ってくる災厄にも等しい魔物の群れを援軍に頼ることなく彼らだけで対応しなければならなかった。

その際に活躍していたのが忍者部隊だった。
忍者部隊は昼夜を問わずアキツの要所に配置され、魔物の襲撃が起きると速やかに対応班を編成し手際よく処理していった。

しかし大戦の後期ともなると戦いの犠牲になった者の数が残った者の数を上回り、戦況は悪化の一途をたどった。
アキツの北半分は魔物の手に落ち、豊かな森や川は汚染されて魑魅魍魎が住まうおぞましい沼地や荒野へと姿を変えていった。

忍者部隊の生き残りの一人、“白影のススキ”は汚染された北の地の偵察から帰還した。
ススキは際立った能力も華やかな技も持たない、非常に地味な忍者だった。地味で目立たない存在そのものだった。
それゆえ、偵察のような隠密任務だけは長けていた。ススキの報告によると、北の地で獣を眷族に変えて勢力を増した魔物の軍勢が、南下してくる兆候があるとのことだった。

この報告をもとにリウガンは数多くの小精霊と共にアキツ全土を守護する“地の大精霊”と交信を行い、北方浄化作戦を立案する。
内容は単純で、人間が南北の境界線となっているタカマ高原で魔物の軍勢を引き受け、その隙に大精霊を中心とした精霊達で北の地を浄化するものだった。

北方浄化作戦がはじまって5日が経過したが戦況は悪化。もはやタカマ高原は魔物の手中になろうとしていた。
そのとき、“白影のススキ”は気配を消して高原の中央に向かう。ススキの隠密は完璧で、どんな魔物であっても気づくことは無かった。
ススキが出発してしばらくのち、タカマ高原は一切の光が届かない闇に包まれる。魔物の軍勢は方向感覚を失い高原を右往左往するばかりだった。

稀に闇の地域から漏れた魔物はアキツ軍によって各個撃破されていった。
闇は2日間続き、北方浄化作戦終了後にようやく高原に光が戻った。拠点を失い兵站が途絶えた魔物の軍勢の残りは、アキツ軍によってあっさりと撃破された。

アキツには束の間の平和が戻ったが、北方浄化作戦以来、ススキの姿を見たものは誰もいなかった。
タカマ高原では秋深まる頃の新月、月の無い夜に、満月に見立てた団子をお供えする風習が誰が始めたともなく広まる。
この風習は芒参り(すすきまいり)と言われ、現在もなお続いている。

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武具強化調整

次に登場するドラゴンタワーでは、E(エピック)ランクの上の、ER(エピックレア)の武器が登場する予定です。
新たな強さを得る機会となりますが、そこまでの道のりが長くなる一面もあります。
そのため、ERランクの装備が登場するよりも一足早く、本メンテナンスでEランク以下の装備をより早く鍛えることができるよう、以下の調整を行います。

その他の更新内容

アプリ更新について

一部機能はアプリを最新バージョンへ更新する事で反映されます。
最新バージョンの公開は10月12日(木)中に実施する予定です。
ストアに最新バージョンが無い場合は申し訳ございませんが、少し時間を置いて再度お試しくださいます様お願い申し上げます。

アップデートはこちら

メンテナンスへのご協力、誠にありがとうございました。
今後もより良いサービスとなる様、随時更新を行って参ります。

今後ともエレメンタルナイツオンラインを何卒よろしくお願いいたします。

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